全体の講評
昨年の第1回大会に比べて、応募作品のレベルアップには目を見張るものがありました。
今年は新型コロナウィルスの影響で人と会いづらい状況が生まれてしまいましたが、今後さらにデジタルコミュニケーションが増える世の中において、アナログゲームはとても価値のある存在になっていきます。
アナログゲームの作り手を育てるという点で本コンテストの意義は高まっていくと思いますし、今回それに応えていただくかのように、作品のレベルアップが見られたことに心から感動しました。
特にファイナル進出作品に関しては、ゲーム内容は勿論、最終プレゼンテーション用の動画のクオリティが高く驚きました。
総評として、素晴らしいコンテストでした。熱意をもって応募作品を作ってくださったすべての方々に心から感謝申し上げます。本コンテストを盛り上げて下さり誠にありがとうございました。
最終作品の講評
レベルが高く、順位付けがとても難しかったです。
特に優勝と準優勝は甲乙つけがたい状況でした。
ゲームルールの面白さ、分かりやすさ、斬新さ、コミュニケーション性、コンポーネント(物)の良さ、など、それぞれの応募作品の優れているポイントが異なり、全ての作品がある点ではトップだと言えるような部分を持っていたため、最後は総合的評価になりました。
【2020年度 第1位】◆渦巻き回れ(応募者 唐 凱寧)
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何と言っても、ゲームボード本体のアイデアが素晴らしい作品でした。
回すと何故ビー玉が中心に移動していくのか、やってみないとわからない不思議な盤自体がこのゲームの最大の特長で、おもちゃ製品としての出来が良かったです。ルールを改善すれば商品化の可能性も見えてくるほどの作品だと思います。さらに面白く、奥深く遊べるようにカードの内容や、同時に使うボールの数など、いろいろな可能性を考えてみて欲しいです。将来の可能性がすごく高いゲームだと思います。
【2020年度 第2位】◆FIENDER(チーム:ENIGMA)
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ゲームルールが非常に面白い作品でした。
1回のプレイで面白さが分かりました。市販のゲームでも、1回プレイすると満足するものが多い中、すぐに2回目をやりたくなりました。
攻め(炎)守り(消火)に分かれる非対称性ゲームですが、もしこれが炎側と消火側が完全に互角だと言えるようになってくると、本当にすごいゲームになるし、商品化価値も充分に出てくると思います。さらに追及してみていただけるとうれしいです。
【2020年度 第3位】◆PUSH it(チーム:HN27)
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何故今まで世の中に同種で有名な作品がなかったのかと思うくらいシンプルでゲームとして成立している作品でした。物としての魅力もあり、作品としてまとまっています。
頭脳対戦系、パズル好きな人がはまるゲームだと思います。審査員もみんな、何度も遊びたくなってしまいました。
【2020年度 マーブル賞】◆おさかなパニック!(チーム:IKEY)
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ジオラマとなっているゲームボードが非常に凝って作られており、製作物のクオリティは最終作品の中で1番でした。
捕食するマグロと、逃げるイワシという2つの立場を替えてプレイできる点がよいと思います。
イワシチームがワイワイと協力するときのコミュニケーションの楽しさが良いです。ルールをブラッシュアップすればさらに面白くなると思います。
【2020年度 特別賞】◆はちクマパニック(チーム:パニックです。)
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カードゲームでありながら、カードを落とさない、ハチが出たら切り株へ逃げるなど、体を使ったり叫んだりして全身を使用する点は非常に斬新でオリジナリティに溢れています。
制作物を見ても作者の方の情熱を感じました。
さらにゲームとして面白くなるように、引き続き中身を詰めていっていただけるとうれしいです。
賞金に関して
無事にゲームアイディアコンテスト2020が終了しましたので、審査結果の発表をしていきます。